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  大谷 正明(おおたに まさあき)
    (有)匠工房 代表取締役
ジュエリー制作のことや私が住む東京都武蔵村山市周辺の地域情報など

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「金工独修書」銀の分析法

ファイル 113-1.gif

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第三 純銀の製法

銅その他の金属を含有した銀合金から純銀を精製するには、熱・湿の二つの方法が有る。熱法は従来から用いられていた方法で、炭火の力で混合物を骨灰中に吸収させて分析する。湿法は薬液の作用で溶解して分析するものである。

湿法

その方法は先ず銀合金を陶製の鍋に入れ、これに硝酸を注ぎ入れて弱火で熱すれば黄色の煙を発して溶解し青色の液になる。その後、およそ2〜30倍の水で希釈し、銅片を差し入れて1日ほど放置すると、銀は銅片の周囲に白色粗鬆様(多孔質の海綿様)の沈殿となる。
これを紙で濾し取ってよく洗った後、乾燥させて坩堝に入れ炉の火で熔融すれば純銀塊が得られる。

また銅片の代わりに食塩水を注入すれば(白色沈殿が生じなくなるまで加えた食塩水の量によって、予め銀の量を知る方法が有るが省略する)すぐに銀は還元して塩化銀の白色沈殿が出来る。これを回収して乾燥させ坩堝に入れて炉火中で熔融すれば純銀塊になる。
ファイル 113-2.jpg
熱法

俗に灰吹き法と呼ばれるもので骨灰中に不純物を吸収させる方法である。
まず骨灰と松灰同量を良く混ぜ、これを素焼きの容器に一杯に入れて掌で押し付けて平らにし、かつ中央を皿状にくぼませる。
用意が出来たらくぼみに銀合金と鉛を置いて(第5図はこの断面を示したものである)灰の上およそ1インチ(2.5cmくらい)のところに鉄棒を架け渡して炭火を乗せられるようにする。

次に炭火を乗せて空気を煽ぎ入れれば、銀は鉛のために高温にならないうちから熔融して、不純物は鉛と一緒に灰中にしみ込んで徐々に分量が減り、最後には純銀だけが残留する。

この製造中、途中の段階で表面に皴が生じ赤熱して凝固することが有る。これは鉛の欠乏によるものだから、すぐ新たに鉛を加える。
そのようにして表面が虹色銀電を表し光沢を発するようになったら、炭火をどけて放置して冷ます。表面に光沢の無いものは純粋な銀ではなく、製法が十分に行われなかったものである。

しかし熱法は銀合金の中に金が含まれている場合、これを分離することが出来ないので、更にまた湿法を行う必要が有る。
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この後、欧米で行われる分析法の説明に入るが、長くなるので一旦ここで区切りを付けておく。

久し振りに読んだからだろうか、この部分の説明は妙によどみなくスラスラと書かれているように感じられた。文章自体が軽快である。「虹色銀電」という語は著者の造語であろうか。いくら調べても類似の表現は見付からなかったが、様子が目に浮かぶがごとき達者な表現だ。
「その白色沈殿の生ぜざるに至りて止む。この塩水を点ずる量により予めその銀の量を知る方法有れどもここに略す」などは恐らくこの著者自らの知識だろう。

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