
地金価格が下がっている。伸び悩んでいると言う方が正しいかも知れない。
人間の目というのは大したもので、グラフがどのようになっても1本の方向性を見出すことが出来る。散布グラフなどは良い例で、個別の点を座標に書き込むことで一定の法則が推測される。
ジュエリー制作でも、作っていてその時々に形の確認をすると、ちょっと違和感を感じることがある。目の癖というものも有るから逆にして確認して、それでも同じように違和感を感じるなら間違いなく形状に問題があるということだ。ノギスで測ると0.1mmの違いということも多い。人間の目はそれほど優秀なのだ。
全くの平面に作ると、中央が窪んで見えるということも良く言われる。ほとんどのジュエリーは人間の両目の間隔より小さいからだ。外縁の方が中央部より目に近い。だから目から遠い中央部が「遠くに」見えるということだ。そのため平面であっても、うっすらと膨らみを付けるのが制作の基本になっている。先人の知恵ということになるだろう。
自分の感覚を信じて制作が出来るようになったのは、つい最近のことだ。以前にも同じように思っていた。常に「つい最近ようやく分かるようになった」と思っているのかも知れない。
しかし基本の知識、先人の知恵というものは人から学んだものだ。毎日の作業のあらゆる場面で、教えようとしてくれる人達の言葉や動きから僅かづつ学び取っていった蓄積だ。良く教えてくれたなと思う。