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  大谷 正明(おおたに まさあき)
    (有)匠工房 代表取締役
ジュエリー制作のことや私が住む東京都武蔵村山市周辺の地域情報・ホームページ制作

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職人を目指す人達へ

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写真は現在の工房へ移転したとき、取引先の一社からいただいた移転祝いの観葉植物だ。地下を工房にするということで「日光が当たらなくても育つ植物」と一生懸命に探してくれたらしい。人工照明のみの地下で、見事に成長を続けている。ほとんど天井に届くまでに育ったが、面白いのでそのままにしてある。非常識なほど生命力の強い植物なので、余りに伸び過ぎたら幹の途中から切って鉢に差しておいてやれば、そこからまた育つだろう。
この植物はしばらく水をやらないでいると、幹のあっちこっちから気根と呼ばれる根がニョキニョキと生えてきて、勝手に空気中から水分を補給する。こうなると見苦しいので、なるべくこまめに水をやって気根が生えないようにしている。

さて、職人を目指す人達へ、などという表題をつけてしまったのだが、何が言いたいのか。昨今のジュエリー職人希望者を見ていて、何かを言ってやりたいと思うのだが、反面では言っても分かるまいの思いが有る。しかしこの業界に身を置いている先輩として、自分が知っていることならば教えてあげたいとも思う。

私がジュエリー職人になったのは、どういう経緯だったか。この業界に入る前、私は小さなスナックを経営していた。最近ではスナックと言ってもピンとこない人も多いだろうが、バーと居酒屋と喫茶店の中間のようなスタイルの店舗だと思えば良い。水商売だから収入は安定しない。日銭商売だ。職業を変えることを考えながらも、ずるずると結局8年間もスナックのマスターというのをやっていた。
ようやく廃業・転職の決意を固めたとき、私が最初にやったのは、職業別電話帳の目次のチェックであった。自分が何をやりたいのかが分からない。だから先ず、どんな職業が存在するのか調べることから始めたのだ。聞いたことも無いような職業については、一つ一つ時間を掛けて調べた。そうして職業別電話帳の目次チェックも終わりに近づいた頃、ある日の新聞の折り込み広告の求人案内に目が留まった。「指輪を作ってみませんか」なんたる軽いノリであろうか。しかしこれが心に引っ掛かった。「指輪って、どうやって作るんだろう?」知らなかったからだ。
頑張って調べていた職業別電話帳を差し置いて、結局私は普通の求人広告を見て、この業界に入った。

つまり私は、ジュエリー職人を目指してはいなかったのだということに、気付いて欲しい。当時、修業中に私の周囲にいた先輩や同輩・後輩、皆同様にジュエリー職人を目指していたわけではなく、たまたまこの仕事に目が留まったというだけだったように記憶している。仕事の中で少しづつこの仕事がどういうものであるかを学び取り、だんだんに面白くなっていったのだ。どういう仕事か分からないのに、いきなり好きになれるはずもない。

今はどうだろう。ジュエリー職人になりたいといって問い合わせてくる人の大半は、なぜかジュエリー職人を目指してきた人達である。これを奇異なことと感じるのは、私だけなのだろうか。その希望は、本当に自分の中から出てきた気持ちなのか。なぜ知らない仕事に憧れることが出来るのか、ちょっと立ち止まって考えてみることも必要ではないだろうか。

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