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  大谷 正明(おおたに まさあき)
    (有)匠工房 代表取締役
ジュエリー制作のことや私が住む東京都武蔵村山市周辺の地域情報など

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幻のネックレス

ファイル 35-1.jpg

まさしく幻のネックレスであろう。
このネックレスは今はもう存在しないのではないか。10年以上も前に依頼されて作った、好景気の当時でも珍しいほどの高額商品だった。残念ながら鮮明な写真は手元にない。まだデジタルカメラというものが一般に出回る前の時代だから、色あせたポラロイド写真のスキャン画像で我慢してもらいたい。このネックレスは数年前に盗難にあって、表舞台から姿を消した。

このネックレスのメインストーンは25ctのダイアモンドだ。徹夜明けの冴えない頭を励ましながら石留めをした、緊張の記憶は今も残っている。全てが完成したあと、なにしろ早朝だから納品までの時間を持て余すことになる。金庫にしまって眠ればいいのだが、眠ることが出来ない。極めて限られた人間しか、これがここにあることを知らないはずだ。しかし徹夜明けのせいもあるだろう、嫌な想像ばかりが頭に浮かぶ。結局、納品のために呼んだタクシーに乗り込むまで、ネックレスの入った箱をただ抱えて時間を過ごした。良いような悪いような思い出だが、貴重な思い出には変わりない。

そう、このネックレスはイヤリングとセットの商品だった。イヤリングがおまけのように感じられていたが、そのイヤリングでも2億円の商品だったのだから、金銭感覚に狂いが生じていたのだろう。今はこれほど高額な商品が作られることは無くなったが、むしろ質の良いジュエリーが生まれやすい土壌が出来てきているように思う。今の時代だからこそ、良い職人を育てなければならないのかも知れない。

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きろろ 2007年07月04日(水)19時30分 編集・削除

お疲れ様でした。じっくり眺めさせて頂きましたが、ちょっと 先生の緊張感が伝わり 胸が喉が 締め付けられてしまいました。この作品の 盗難については・・・・・テレビでも 報道していましたね。ちょっと 素敵過ぎて ため息と言うより 喉が苦しいです。
情緒的なコメントではないですね。ごめんなさい。

匠工房/大谷 Eメール URL 2007年07月05日(木)03時57分 編集・削除

ありがとうございます。
接写機能がないポラロイド写真ですが、実物は一つ一つのダイアが最高品質に近いものとあって、息を飲むような・・という表現がぴったりの美しさでした。商品として公開されなくなったので、詳細を書かずに写真だけお目にかけることにしました。