
伏せ込み(覆輪)で石を留める場合の補足。石留めは・・やはり石留めに限らず制作全般だが・・出来上がりの形から逆に考えることが多い。制作の話をすると幼稚な表現になってしまうが「こういう形にしたいから、こうする」ということだ。
伏せ込みの完成が左図だとすると、この爪を起こせば恐らく右図のようになる。地金は何故変形させることが出来るのか。基本過ぎて考えもしないだろうが、地金は伸縮するから変形させることが出来るのだ。しかし変形したからといって体積にさほどの変化が出るわけではない。
つまり縮んだ分の体積はどこかに増加として現れる。伸びた分の地金は減少として現れる。リングを作る時、地金板を丸めるとリング外周は中央ライン部分が窪んだ形になる。それを考えてみれば理解できるだろう。
理屈を知って作業するのと知らないのでは大きな差が出ることが多い。特に石留めは破損の危険があるので盲滅法でやって良いものではない。石を割るのも経験ではあるが、割ってしまったら必ず「なぜ」を考えて次に生かさなければならない。