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銀のつや消し法

古い工芸書に「銀のつや消し法」として次の記述がある。

「木炭の粉末4分および硼酸1分を混合し、これを水にて練り合わせ炭火中に投入し桜色になるまで熱し、次にその冷却を待ち硫酸を以て微酸性とし水に溶解せしめ50度の温度として、この中に銀を2時間入れ置き、しかる後湯にて数回洗うものとす。」

「、」は私が勝手に付けたもので、本来の文には読点が無くズラズラと一文で書かれている。やってみれば解るだろうということか、こうするとどうなるかの説明は無い。

4分と1分は割合と思って、自分が作りたいだけ用意すれば良いだろう。「水にて練り合わせ炭火中に投入」だから、液状にするのではなく粘土状にするということか。なるのだろうか。

8割が木炭だから「炭火中に投入し桜色」になるとは、木炭が燃焼した状態・・炭が赤く燃えている状態と考えれば良いだろうか。ここまで来ると「ああ、なるほど」と思うだろう。木炭は媒体で、要は硼酸を焼いているのだ。焼けたら火から出して冷めるのを待つ。

「硫酸を以て微酸性とし水に」は恐らく硫酸で微酸性にした水という意味ではないかと思う。微酸性とし「た」が脱字だろう。水に少量の硫酸を加えて、その中に冷めた上記のもの(焼硼砂)を入れて溶かす。水の量が記されていないから、適当にやって上手くいかなければ加減するということだ。

その溶解液を50度に熱して、銀を入れて2時間待つ。その間、たぶん50度を保ち続けるのだろうが、少々厄介だ。サーモスタットとヒーターがあれば良いが、硫酸が入っているから金属製のものは使わえない。
いやそのような手間暇を掛けたとも考えにくいから、50度に熱した液に入れてそのまま放置という意味と捉えた方が現実的だろうか。推理力が必要な工芸書というのも面白い。

2時間経ったら液から上げて、湯で良く洗う。湯で洗うのは、表面に析出した硼砂被膜を溶かし流すためだろう。つまりこうすると硼砂の被膜が出来るのだ。

それでどうなるかは、やっていないので解らない。しかし面白そうではあるから、手が空いたときに試して一人で「ほう、なるほど」とほくそ笑みたいものだ。

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