アセチリンはもちろん「アセチレン」のことだ。
「アセチリン中のダイヤモンド」
炭化石灰(カーバイト)は石灰と炭素の化合物なるが、電気弧光の作用により炭化石灰を生ずるの際、時として炭素のみ化合しダイヤモンドを生ずると有り。故に炭化石灰を燃焼しアセチリンを発生せしめたる残滓の石灰中に、時としてはダイヤモンドの発見せらるることあるは、欧米の新聞雑誌に屡々(しばしば)見ゆる所にして、我が国においてもアセチリン燈を使用せる人が小粒のダイヤモンドを発見したる事実あり。アセチリン燈を使用する人はその残滓に注意すべし。
・・ダイアモンドって、そんな簡単に出来るのだろうかと思わせてくれる不思議な記述。調べてみるとダイアと非常に似た物質、カーボランダムのことだった。そしてこのカーボランダムが鉱物名「モアサナイト」であると言えば、解る方も多いだろう。つまりダイアではなかったが、それほど間違いでも無かったということだ。モアサナイトは鑑別上もダイアモンドとの識別が難しいと言われたほどだから、当時はダイアモンドと認められていたかも知れない。