以前、或る取引先から依頼されて作った商品だ。ヘアバンドというのだろうか?確か別の呼び名が有ったように思うが、覚えていない。そのバンドに着脱ができるゴールドの装飾品が欲しい、外したらペンダントヘッドとしても使いたい。大振りな方が良い。ダイアも大きめのものが入れたい。そして「安く」と言う。地金を極限まで薄くして、なんとか注文に応えた。ダイアは残念ながら大きいとは言えない。
匠工房は依頼された仕事は、ほとんど何でも引き受ける。数千万円の商品から、数千円の商品まで手掛けるし、修理品に至っては「このチェーンは千円もしないんじゃないか」というような極細チェーンの繋ぎ直し、パールの接着取れ、プラスチックのブローチの金具直しなど見境が無い。ほとんど趣味の世界だ。ものを直すのは好きだ。子供の頃、身近に有る物を片っ端から分解した償いだろうか。装身具に限らず、衣類だろうが玩具だろうが電機製品だろうが建物だろうが、とにかく何でも直す。
取引先の一社などは、他社製品の直しでも全部うちに送ってくる。「できればサービスで」などとも付け加える。なぜ他社製品の修理を無料でやらなければならないかとも思うが、大抵はサービスで応じてしまう。簡単な修理が多いのだ。中元・歳暮よりも効果は大きい。逆の発想で打算的なのだ。
今もシルバーの大きなドクロのネックレスの修理を預かっている。外れた花を元のようにつけて欲しいという。「ドクロに花か」などと思いながら、けっこう楽しんでいる。他の人が作ったものを見るのは楽しい。
職人の中には「自分は高額品しかやらない」などということを誇りにしている人もいるが、そういう種類のプライドは私には無い。頼まれればプラモデルでも直す。だから必然、修理品の依頼が増えてくる。「匠さんなら何とかしてくれるんじゃないか」そう思われるのも、それはそれで楽しいではないか。

菅原道博 Eメール 2007年12月08日(土)11時53分 編集・削除
大谷さんこんにちは、私のところも様々な修理がきます、さすがにプラモデルの依頼はないです。ただし加工料は有料ですが、貴金属以外の修理、ローレックスのバンド1コマ、ハンダ、接着、着色などで、多いのが石が外せない銀の指輪のサイズつめる以来が多いです。延ばしは難しい(予算の関係)ので断っています。でも修理って一番経験の差がでる分野ではないかと思います。