prof
  大谷 正明(おおたに まさあき)
    (有)匠工房 代表取締役
ジュエリー制作のことや私が住む東京都武蔵村山市周辺の地域情報など

記事一覧

トップ > ジュエリー > ジュエリー教室

ジュエリー教室

匠工房がジュエリー教室を始めたのは、工房を武蔵村山市に移転して1年少々過ぎた頃、およそ6年前のことだ。移転前から教室運営の計画は有ったが、なにしろ移転前の工房ときたら近辺でも有名な廃屋に近いオンボロ長屋だったから、教室として生徒さんを迎えるには大いに引け目が有った。
どのくらいオンボロだったかというと、そもそもが傾いている木造2件長屋で、その2件ともを借りて真ん中のしきりの壁を取り払ったら、縁側のサッシが開かなくなった。サッシが屋根の重みを支えていたような建物で、雨ともなると天井裏に溜まった雨水が頃合いを見計らったように一時にザザァーと降り注ぐ。だから雨の時は皆で「そろそろかな」などと言いながら、冷や冷やしていたものだ。

現在の工房に移転して、本業の受注制作の方も一時期よりは忙しくなくなったので、取引先を開拓する傍らジュエリー教室も始めてみることになった。何事に拠らず初めてやることというのはそういうもので、いざ始めようとしてみるとにっちもさっちも分からない。さて、どうやって生徒さんを募集したものか。新聞広告などを出したりしたが、一向に効果がない。地域情報誌に広告を掲載してもらったのは、多少の効果が有った。しかし、恐らくここがどの教室でも難しいところだろう。最初のうちは生徒さんも一人か二人だから、教室という雰囲気が生まれにくい。個人授業のような雰囲気で、妙な上下関係が出来てしまう。

一人増え、一人減りを繰り返しているうちに、ようやく熱心な生徒さんが定着し始めるまで、およそ一年。それからはむしろ生徒さんの熱意に後押しされる形で、徐々にジュエリー教室らしくなってきた。最近では参加希望の方が増えて、既存の実施日だけでは足りないくらいだ。
本業の方に差し障りが有るのでは、と心遣いいただける生徒さんもいる。確かに教室の実施日や時間が増えた分、本業の受注制作に掛けられる時間は減ることになるが、最近の受注量ならばちょっと頑張れば何とかなる。それに年齢のせいだろうか、性根がずぶとくなって平気で頭を下げられるようになった。仕事はもちろん大事だが、生死に関わるものを作っているわけではないのだ。以前、ある人に言われた「ある朝、会社でヤスリを持ったまま死んでた・・なんて様にならないじゃない」の言葉が頭をよぎる。そこまで頑張ることも無いのだ。そう思えるようになった。

最近の教室では、長く通われてほとんどの作業が一人でできるようになっている生徒さんも増えてきているので、ずいぶん楽をさせてもらっている。教室でプロレベルの作品が作られることも珍しくはないし、生徒さん同士で見せ合ったり相談したりという光景も微笑ましい。そしてやはり、作品が出来上がったときの嬉しそうな様子が良い。喜びが伝わってきて、こちらまで嬉しい気持ちになる。それが有るから、ジュエリー教室を続けているのだと思う。

工房内写真

ブログランキング・にほんブログ村へ

トラックバック一覧

コメント一覧