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  大谷 正明(おおたに まさあき)
    (有)匠工房 代表取締役
ジュエリー制作のことや私が住む東京都武蔵村山市周辺の地域情報・ホームページ制作

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「金工独修書」鉄の翠色・潤沢

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第十一 鉄に翠色(すいしょく=緑色)を表す方法

鉄や鋼を良く磨いて弱い火であぶると翠色になる。さらにまた熱を加えれば紫色になる。

第十二 鉄や鋼に書画を描く方法

良く磨いた鉄や鋼を火で炙り翠色を出した後、この上に油と油烟墨(書道の墨)を混ぜたもの、またはニスなどの揮発性塗料で書画を行い、乾燥させた後で全体にぶどう酒を注げば、書画した部分のみを残して他の部分の翠色は落ちる。
その後、揮発油で油やニスを洗い落とす。

第十三 鉄の潤色法(光沢を与える方法)

琥珀:60
トルペインタイン(ターペインタイン=テレビン油):60
松やに:10
アスファルト:1
ドローイングオイル:3

別の方法
アスファルト34グラム
セルラック(セラックまたはシェラック=カイガラムシの分泌物から得られる樹脂状の物質)6グラム
トルペインタイン(テレビン油)100cc

第十四 黄銅の潤色法

セラック(シェラック)4グラム
サンダック(サンダラック=芳香の有る樹脂)1グラム
アンナット(赤色の天然色素?)1グラム
キリンケツ(紅色の樹脂)2グラム
アルコール70cc

潤沢を施す器物はあらかじめ(変色しない程度に)熱した上で、この混合液を塗布する。
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鉄と鋼(はがね=鋼鉄)の加熱による着色(変色)法と鉄・黄銅の光沢を出す塗装方法であろうか。ジュエリー制作には直接関係ない部分だが、熱によって翠色になった鉄に書画のマスキングを施した後、ぶどう酒で洗うと翠色が落ちるという技法は、考え方として面白い。

光沢塗装(潤色法)については原文をご覧戴けば明白なように、丸写しの感が強い。同じアスファルトのことを「アスハルト」「アスファート」と表記していたり、オンスやガロンに「匁」が混入する。ただ書き写したものか、原文を大切にしようとの著者の意図的な選択かは分からないが、私にとっては苦労の種である。

「金工独修書」を現代文や現代の単位に置き換えて読みやすくしようという試みは、私自身の頭脳の活性化に大いに役立っている。また、知らないことの多さを実感することも、人生の節目に差し掛かっている自身にとって有益だろう。今これをやろうと思い立ったのは、無意識の必要性からだったのではないかとも思う。

一つだけ気になっていることが有る。この「金工独修書」は「前編」である。しかし「後編」の存在を私は知らない。前編の文中には、実際の器物の制作法については後編で述べるというような記述があるが、はたして後編は存在するのだろうか。どなたかご存知の方がおられたら、ご教示いただきたい。

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