金の色上げでは苦労されている方も多いだろう。画像が無くて申し訳ないが、簡単に色上げの方法を書いておきたい。この色上げは純金の色を引き出すという古来の色上げとは違って、主にホーニング加工(梨子地・サンドブラスト)の後処理として、金の色合いを明色にするために行われる。
用意するものは苛性ソーダと硼砂。(どちらも薬局で手に入ります)溶液を保存するなら強アルカリに耐えられるふた付きの保存容器。湯煎のための鍋(駄目になっても良いもの)。
容器に湯を入れる。吹きこぼれるので半分ほどがいいだろう。鍋の湯を沸点近くまで上げて弱火で保温する。鍋の中に湯を入れた容器を浸し、湯煎の状態にする。湯温が上がったら火を消し、容器に少しづつ苛性ソーダを投入する。苛性ソーダはプラスチックのスプーンなどで、少量づつ掬って入れる。吹きこぼれる。必至だ。湯煎の鍋は吹きこぼれを受けとめるための容器でもある。
(責任は持ちません。自己責任で試してください。吹きこぼれるので危険と明記しておきます。)
どのくらい苛性ソーダを入れるのか。量ったことはないが目安として、1リットルの湯に200グラムくらいか、もう少し多く。一気に入れると、とんでもないことになるから絶対に少量づつ入れる。
水に苛性ソーダを入れてから加熱すれば・・と言われそうだが、やってみたが何故か上手くいかない。改良は後の方に託す。
苛性ソーダを入れたら火をつけて、湯煎の温度を上げる。軽く沸騰する状態で火を調節して湯温を維持する。
今度は硼砂を加えて行く。これは苛性ソーダほど気を使わなくて良いし危険もないが、様子を見ながら少しづつ加える。目安は1リットルに200から300グラム。もっと入るなら入れて良いが、入れ過ぎるとペースト状になってしまう。ペースト状になったら湯で伸ばす。溶けにくいようなら攪拌して沈殿が生じないようにしながら加える。入れ終ったら冷ます。それで完成。簡単なものだ。
この簡単なもののために半年を費やした。さらにその後の使用方法で半年。そればかりやっていたわけではないから、丸々費やしたわけではないが。
出来た色上げ液は保存可能だ。状態によっては下に結晶が溜まるが、効果に変わりは無い。結晶が出来たものを湯煎に掛けると、ガラス瓶ならば必ず割れる。そのままで効果は変わらないので、容器は諦めてそのまま使うのが賢明だ。
色上げの方法は、まず色揚げをする品物(ホーニング後、洗浄したもの)を用意する。ハンディートーチ、バーナー・・酸素バーナーではなく、カートリッジ式のような炎が太く弱いもので加熱する。加熱の具合としては軽く酸化する程度。最初に焼く主な目的は油分の除去だから、それを念頭に作業すれば良い。焼いたら色上げ液にジュッと浸ける。撥ねることがあるので注意。長めのピンセットが良い。
色上げ液にジュッと浸けたら、すぐに出してまたバーナーで焼く。この焼き方で微妙に結果が分かれる。目安として・・まず焼き始めると液が泡立ち徐々に乾いて行く。乾くと白い粉のようなものが全面に付着した状態になる。さらに炙り続けると粉の白さが消えて金の地肌が見え始める。金の地肌の表面に艶のある透明膜が掛かったようになる。白く残った部分が無いことを確認して火から離す。冷ましてから希硫酸で煮る。洗浄する。以上だ。
全く同じ方法でシルバーなら白仕上げになる。真っ白で綺麗な白だ。それもそのはず、この色上げ液の考えの大本になったのが古来から伝わる銀の白仕上げだからだ。効果としては銅色を消す。だから銀はより白く、金は淡いクリーム色のようになるのだ。
苛性ソーダをベースにしたのは、私が勝手にやったことだ。硼砂は冷めると結晶化して析出する。その結晶化を妨げる目的で苛性ソーダを使ったのだが、それが色上げの結果に某かの影響を及ぼしているか否かは定かではない。
あれこれやってみた結果、特に技術も必要としないで誰がやっても同じような結果が得られる色上げ液が出来たということだ。色上げで困っている方は、まずこれを参考にして、さらにあれこれ研究して自分なりの方法を見付ければ良いと思う。
久し振りに使ったスポット溶接機。特にプラチナ製品の手作りジュエリーには重宝する機械で、電極を繋げて瞬間通電でアークを飛ばし点付けできる。ジュエリー制作の上では、スポット溶接は仮付け専用だ。仮付け後に位置や角度を確認、問題が無ければそのままロウ付けに移行する。
こちらは最小表示量0.0001グラム、秤量40グラムのジュエリー用いわゆるカラット天秤で、宝石のct(カラット)も量ることが出来る。商品名は「電磁式はかり」・・そのままだ。はかりに乗っているのは発泡スチロールにフエルトを貼り付けた皿。商品に傷を付けないようにと間に合わせに作ったものを、そのまま使い続けている。
これは電子ではない旧式の上皿天秤。0.05グラムから100グラムまで量れる。仕事を始めたとき最初に買ったのが、この秤だ。皿には鹿皮を張っているが、吸湿によって目盛りが変わるので落ち着くまでに数年掛かってしまった。これだけでも仕事に不自由はしないが、石目を量る必要が有ればカラット天秤(電磁式ではない手量りの天秤も有る)、100グラム以上の計量が必要なら一番上の秤量の大きい秤が欲しいところだ。
大きな不定形の石座を巻いていると、一人の世界に入り込んで時間を忘れてしまう。たまたま入ったファックスの着信音で我に返って、ついでに一休みだ。1時間半、休み無くうねうねと巻いていたわけだ。