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  大谷 正明(おおたに まさあき)
    (有)匠工房 代表取締役
ジュエリー制作のことや私が住む東京都武蔵村山市周辺の地域情報・ホームページ制作

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玉クラスプ

面白い会社が有った。打ち合せに行く度に何かしら持ち出してきては「こういうの出来ないかな」と説明を始める。以前に企画して中断したものや、一度は作ってみたが上手く行かずにやめたものだ。社長がアイデアマンで様々な新商品の企画をするものの、実際に作るとなると問題山積で実用にならない。

「何とかならないかな」などと言われるとワクワクする性格だ。思わず笑顔で「何とかしましょう」と引き受けてしまう。大変なことになるのは解り切っているが、何と説明したものか、それは別問題なのだ。何とかして見せたくて仕方ないのだ。自己顕示欲が強いのだろうか。

そんな中で持ち出されたのが「玉クラスプ」・・後に洒落た命名がされるが、この時点ではシンプルにそう呼んでいた。球体のクラスプだ。通常、球体のクラスプというと、空洞の球体ボックスにバネパーツを差し込むものしか見当たらない。この玉クラスプはそうではなく、球体が真っ二つに分離して、しかも回転させることが出来るというものだった。「そうすると素晴らしいことが出来るようになる」と目を輝かせて説明するアイディアを聞いているうちに、こちらも胸の高鳴りを押さえ切れなくなってくる。「考えてみましょう」と・・それで実用になるまで半年だ。

連名で特許を取ってくれたが、実はその後さらに良い構造を考え付いて、実際の商品としてはその特許の構造は使われなかった。大ヒットして来る日も来る日も玉クラスプを作り続けていた時期が有った。苦労はしたが充分な見返りもいただいたということだ。

その後も私の頭の中で玉クラスプは進化し続けている。面白いもので、1つの構造が完成するとその時点でもっと良い構造の基盤が出来ているものだ。完成が始まりであることは、何かを考え詰めた経験が有る人ならば理解できるだろう。商売だからどこかで止めて形にしなければならないので、考えに終わりは無いのだ。

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