
最近使わなくなったものに「工賃計算書」がある。文字通りジュエリー制作(主に原型から量産)の加工賃を算出するためのもので、必要項目を入力すれば原型代、量産工賃、一点物の場合は手作り工賃が自動的に計算されて表示される。
修整に修整を重ねて手計算の場合と同じような結果が出るようになって実用化したが、それでも現実的でない計算結果が出ることも有り、さらに修整を重ねた。結果として計算式は本人にも理解できない複雑な仕組みになったが、満足出来る結果が簡単に出るようになった。
しかしここ数年の景況から量産商品は影を潜め、ご依頼の内容も変化するようになると更なる修整の必要が生じ、もはや計算式の修整では追いつかなくなって計算結果を直接修整出来る方式を追加した。それでも追いつかなくなり、ついにはレイアウトなどお構いなしに手計算結果と比較するための計算エリアまで作ることになり、計算式は意味を失って「工賃計算書」も使用することが少なくなった。
最近の必要性としては、どのような内容のご依頼であってもスムースに見積金額を提示できるものが有れば便利だが、それも計算に必要な情報が揃っていればということで、情報が揃わない状態では見積金額も出ない。ご依頼者に記入していただく方式の「ご依頼書」のような書式が必要になるだろう。
表計算で作ってからJavaに転記すればWeb上でも使えるものができる。今どきこんな古臭いことをやっている人も少ないだろうが、個人的にはこれくらいで充分だと思う。自分が理解できる範囲内で満足できれば、それが一番だろう。
最近は量産物が少なくなったのでシルバー原型を作る頻度も減ってしまった。たまに地金から削り出しのリング原型を制作したりすると、腕の筋肉が疲労して可笑しくなる。シルバー原型を頻繁に制作していた頃は、腕の疲れなど感じたことはなかったのだ。
久し振りにエメラルドのカット石を扱ったが(無事です。ご安心下さい)、このエメラルドという宝石はジュエリー制作において非常に厄介なものなのだ。硬度は8だから表面が傷つきやすいわけではない。しかし無傷のエメラルドは存在しないと言われるほど、必ずと言って良いほど、他の宝石だったら致命的とも思われるような亀裂を内包している。
拘りが有ったのか経済的な理由によるものか忘れたが、会社設立当時まっ先に鉄床を用意した。体裁の良いものが市販されているが、多くは桜材で使っているうちにひび割れるし木質が悪い。